革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善の具体的な取組内容
1.事業取組内容
現生産設備は、メカ方式(加工用カム使用)の生産で、高度技術及び経験を必要とする為に精度の高い製品を作り続ける技術継承の観点だけで見ると今後も重要な役目を果たす設備であるが、市場では高付加価値製品高精度化、低コスト化、短納期化が急増している状況下で、初期セット調整に所要時間が掛かり、頻繁な微調整が必要とされる機械的能力の限界を技術者能力で補っているが、その技術を売る為にはプラス1(技術者能力のデータ化)が必要不可欠である。データ化する事により、高精度な高付加価値製品対応推進を実現する。
ばねとは
鋼などの金属素材を巻いたり、曲げたりし、その弾性力を利用して荷重の増減によりタワミが変化したり、衝撃や振動を緩和したり、エネルギーを吸収・蓄積する機械要素部品の一つで、用途、材料、形状、製造方法により種類は多岐にわたっている。
代表的なものとして、材料はステンレス線材、ピアノ線材、形状は圧縮ばね、引張ばね、ねじりばね、方法は冷間成型、熱間成型がある。
2.市場分析
ばね市場は、あらゆる企業の設備機器や製品に機能的使用され特殊企業として、その役割と機能を企業に奉仕している。
全国的にみると景気は、ゆるやかな回復で推移しているとの見通しではあるが、H27年度は、高精度化、特殊形状加工化、低価格化が更に進み、これに対応できない中小製造業者はシェアを奪われ厳しい状況に直面している。
この傾向は今後も続いていくと予想されている。
この傾向は今後も続いていくと予想されている。
3.自社の取組
現 状
弊社は九州一円(山口県含)が市場テリトリーで、売上の中心は住宅関連(TOTO・長府製作所)、ロボット設備機器関連(安川電機)、造船関連(三菱重工業)のばね線径0.2φ~5.0φの小物ばね設計、製作、量産を得意として受注生産、大手企業の要望に対応する為、H17年12月22日エコアクション21の認証取得企業として、環境活動の組織体制、環境経営目標実行を継続的に実施しているが、この小物ばねが、高精度、低価格、短納期を追い求める時代に突入し、技術者の能力を頼りに、非効率な少量品や特殊形状加工品は熟練技術者の手加工で、又メカ機は熟練技術者ノウハウで設定をカバーし品質、生産、コストの生産改革を実施しているが、特に精度の高い製品は変形、品質のバラつきによるロス(スクラップ)が多くなる。
改革
弊社は、創業以来90年に渡り培われてきた技術で、大手企業との取引上ほとんどの製品がJIS規格1級製作であり、三菱重工業の宇宙事業関連スペースシャトルや防衛庁事業関連から護衛船、潜水艦用の特殊製品の規格をクリアし納品している技術者のいる工場ですが、新しいNC機を導入する事により、人的、機械的能力のムダを改善し生産性が向上するだけでなく、機械技術者のこれまでのノウハウを全てデータ化し、手加工少量品まで確実にデータ化できる。手加工技術者の特殊形状品ノウハウもデータ化に積極的に注力する事で、高精度の高付加価値製品推進が実現し、技術者も上記のような特殊製品の更なる精度向上を追求する事で、ノウハウをより高度にする事ができ、技術継承にも大きく影響する。市場から求められる高精度、低コスト、短納期に対応できる事が望める為、対応市場が高度に拡大する。
将来の展望(本事業の成果に向けて想定している内容及び期待される効果)
概要
- 高精度高付加価値製品の早期対応、低コストで提供できる。
- 高精度高付加価値製品は技術革新により、今後ロボット産業設備関連への成長性も期待できる。
- NC機導入により、セッティングの短縮簡素化、リードタイムの短縮、高精度の多機能が適用され、今後の生産の転用も可能となり、生産力も拡大し製造原価の改善で市場競争力強化、現市場及び他市場への拡大も望める。
- 大手取引先の新規流入阻止を最優先に新規受注にも率先できる。
- NC機導入実行後は迅速に生産体制の構築を進め、徹底的囲い込み防衛策として更なる製造原価削減に着手し、新たに内政改善を実施し底上げを目指す。
- NC機導入効果は、環境活動を通じて、最終的に原価対策であるロス(スクラップ)の低減5%に挑戦する。
- ステンレス線、ピアノ線、ばね用特殊線材を主体購入しているが、特殊材、量産材についてはロット単位(伸線1t以上)の特品扱いとして価格協力を推進し計画は受注生産の為、月/2ヶ月分を計画し工程管理を実行する。
- ばね製造業は特殊業種である為、メカ機での技術継承は長い年月を要するが、NC機導入によるデータ化により技術者養成も推進し、高付加価値製品での市場拡大を目指し、「機能を奉仕する」会社として更なる成長、経営の安定化を図る。